臨月

妊娠してから10ヶ月が経った。

週数にして39週。あと2日で予定日だ。

今まで妊婦日記をつけていなかったことを突然後悔したりして、臨月にもなって書いてみようと思いたった。

明後日が予定日なわけだが、実は私は2回転院している。

初めて行った産婦人科での予定日は3月20日だった。

なぜ予定日が変わったのかと言うと、最初に行った産婦人科では最終月経を元に、次に行った産婦人科ではCRLを元に算出したからだ。

というわけで、初めて行った産婦人科で出された予定日は過ぎてしまっているのである。

そして、今わたしは里帰り出産のために帰省していて、地元の産婦人科に通っている。

毎回毎回、検診に行くたびに決まって「赤ちゃんが全くおりてきてないね。頑張って運動しましょうね。」と言われるのである。

何度も言われるのでさすがにカチンときて、自宅から5kmほどあるショッピングセンターまで往復歩いたり(自宅は山にあるので行きは下りでよいが帰りは登山)スクワットをしたり、踏み台昇降をしたりといろいろと手を尽くした。

しかし次に病院に行っても、言われることは同じ。ここまでくるともうなすすべなし。動かない方が逆におりてくるんじゃないかとも思ったりする。

そして今日の検診でもやはり同じことを言われた。来週生まれなかったら、4月に計画入院とも告げられた。

3月生まれはかわいそうおばさんもいてうっとおしいので、もはや4月生まれになってもいいんじゃないかとも思う。

世の中には随分と余計なお世話おばさんが多いものだ。

他にも、「その若さで結婚して子ども産むの?これから楽しいこといっぱいあるし、いっぱい遊べるのにもったいないおばさん」もいる。

なにが楽しいことなのかはその人次第だし、あなたは遊んだ結果なにが残ったの?と言いたい。

価値観押し付け系。


話は戻るが、私は帝王切開になるのが怖くて早く産むことに執着しているのだと思う。

毎日のようにお腹に「◯日に生まれてきて欲しい」、「みんな待ってるから早く出ておいで」だとか話しかけていた。

推定ではあるが、胎児の体重は3400gほどある。平均より大きいのがプレッシャーだ。さらには医者からの運動しろハラスメントもあって追い込まれているような心理状態にあった。

それで、検診の帰り、「いい加減おりてこいよ」とまだ見ぬ我が子に対して怒っていた。

でもそれは自分の都合のために怒っているのであって、胎児にとってはまだ出てくるタイミングではないのかもしれない。

子育ては思うようにいかないとよく言われるが、出産の時点でそれを実感している。

いい人に出会って、命が宿っただけでも奇跡なのに、欲しくてもできない人もいるのに、こうやって私たちのもとに来てくれた我が子。

最初にエコー見たときは本当に小さくて、10cmくらいしかなくて、それでも頑張って心臓を動かしていてとても感動したことを思い出した。

それから暑い夏につわりで食べては吐き、食べては吐き、結婚して幸せな気持ちになって、寒い冬を迎えたかと思えば温かくなってきて桜が咲き春が来ようとしていて、この世で1番大事にしたい命が生まれようとしている。

自分の都合押し付け系な親になるところだった。

許してね、子ども。新米母、探り探りがんばる。